WWEが愛したジョー・ルイス・アリーナ。「Thank you, Detroit.」

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ジョー・ルイス・アリーナ、35年以上の歴史に幕を下ろす

2017年7月29日、WWEはジョー・ルイス・アリーナでの最後のLIVEを開催。元ボクシング世界ヘビー級王者ジョー・ルイスの名を冠し、ミシガン州デトロイトのリバーサイドに佇む会場はそのLIVEを最後に35年以上の歴史に幕を下ろした。

1984年12月2日にWWEが初めてジョー・ルイス・アリーナで興行を打って以来、PPVやTV収録など実に100を超えるイベントを開催。数多くのレジェンドやニューカマーがその地に足を踏み入れた。

ストーン・コールド、ザンボーニで突入

ストーン・コールド、ザンボーニで会場に突入=RAW 1998.09.28

様々な伝説が創り上げられた会場だが、ファンにとって強い記憶の中の一つとして残っているのは”ストーン・コールド、ザンボーニで突入=ビンス・マクマホンを襲撃”ではないだろうか。

1998年9月28日、WWEはジョー・ルイス・アリーナでRAWを開催。”ストーン・コールド”スティーブ・オースチンは当時の抗争相手であった”悪のオーナー”ビンス・マクマホンを叩きのめす為、警察が取り囲む会場にザンボーニ(製氷車)で乗り込むという大胆すぎる行動に出る。

このセグメントは”ストーン・コールド”スティーブ・オースチン対”悪のオーナー”ビンス・マクマホンの抗争を語る上では外せない名場面の一つとなった。かつてWWEが日本の地上波で特集を組まれた際にもこのシーンは取り上げられている。

ジ・アンダーテイカー、初のWWE王座獲得

ジ・アンダーテイカー対ハルク・ホーガン=サバイバー・シリーズ 1991

時代は遡り1991年へ。ジョー・ルイス・アリーナで開催されたPPV『サバイバー・シリーズ』で歴史的瞬間が生まれた。”ジ・アンダーテイカー、初のWWE王座獲得”である。今ではレジェンドとして敬われている彼も当時はWWEデビューからちょうど1年が経った頃。

当時、ジ・アンダーテイカーはハルク・ホーガンの保持するWWE王座を狙いメインイベントで激突。リック・フレアーのアシストもありジ・アンダーテイカーが見事勝利を収め、自身初となるWWE王座を獲得した。

オリンピック金メダリスト、WWEデビュー

カート・アングル、WWEデビュー戦=サバイバー・シリーズ 1991

1999年に開催されたPPV『サバイバー・シリーズ』では数多くの”ターニングポイント”がこの会場で生まれた。まずは”オリンピック金メダリスト、WWEデビュー”である。カート・アングルが”真のオリンピック金メダリスト”としてWWEデビューを果たしたのは4大PPVの一つに数えられる『サバイバー・シリーズ』。彼はショーン・スタージャックとのシングルマッチに勝利し、後の成功を収めるための第一歩となった。

ストーン・コールド、轢き逃げ事件発生

ストーン・コールド、轢き逃げ事件発生=サバイバー・シリーズ 1999

“ストーン・コールド、轢き逃げ事件発生”も忘れてはいけない。ストーン・コールドは正体不明の車両に会場内で轢き逃げに遭うという稀に見るショッキングな映像が舞い込んだのも同じ会場、同じPPV=サバイバー・シリーズである。

ビッグ・ショー、初のWWE王座奪取

ビッグ・ショー、初のWWE王座奪取=サバイバー・シリーズ 1999

そして”ビッグ・ショー、初のWWE王座奪取”である。ビッグ・ショーはメイン・イベントに出場しWWEヘビー級王座を賭けたトリプル・スレットマッチでトリプルH、ザ・ロックと対戦。ビンス・マクマホンの介入もあり見事勝利を収め、初のWWE王座を獲得した。

過去、1995年にはPPV『ハロウィン・ヘイボック』で”ザ・ジャイアント”としてハルク・ホーガンを破り衝撃的なWCWデビューを飾っていたことも、彼にとってジョー・ルイス・アリーナは大きな”ターニングポイント”を一度ならず二度までも生んだ場所であると言える。

シェイン・マクマホン、WWEへ電撃復帰

シェイン・マクマホン、WWEへ衝撃的復帰=RAW 2017.02.22

時間の針を進め現代へ。2016年2月22日に開催されたRAWで”シェイン・マクマホン、WWEへ電撃復帰”は起こった。父親ビンス・マクマホンとの”親子関係”が原因となったWWE退団から実に約6年振りの復帰を果たし、ジョー・ルイス・アリーナを凄まじい声援で埋め尽くした。

この復帰がきっかけとなり後のPPV『レッスルマニア32』ではアンダーテイカーと対戦し、ヘル・イン・ア・セル天井からの自殺ダイブを披露する。

ジョー・ルイス・アリーナにて、最後のTV収録

ブロック・レスナー入場時=RAW 2017.03.13

そして2017年3月13日、WWEはジョー・ルイス・アリーナにて、最後のTV収録となる『RAW』を開催。WWE殿堂者ショーン・マイケルズも姿を見せた。多くのスーパースターズはこのTV収録で最後となり、その別れを惜しんだ。

ビンス・マクマホンが語る、ジョー・ルイス・アリーナ

WWE会長ビンス・マクマホンは2016年7月に同会場へリムジンで颯爽と現れた際、この場所に来た理由をWWEのカメラにこう語っている。

「私が来た理由はこれだよ。このデトロイトの新鮮な空気の匂いだよ。この為に私は来たんだ」
ービンス・マクマホン

そのデトロイトの新鮮な空気が、30年以上にも渡りWWEをカムバックさせ続けたのだろうか。

ジョー・ルイス・アリーナにとって、最後のLIVE

ブロック・レスナー、ポール・ヘイマン入場時=WWE LIVE 2017.07.29

それから約4ヶ月後の2017年7月29日、WWEはジョー・ルイス・アリーナにとって最後のLIVEとなる『WWE LIVE SUMMERSLAM HEATWAVE TOUR DETRIOT』を開催。

特別参戦となったブロック・レスナーはサモア・ジョーと対戦し”LAST THROW AT THE JOE”(ジョーで最後のスープレックス)を披露した。メインイベントには、かつてこの会場でPPVデビューを果たしたジョン・シナが登場。ルセフを相手にデトロイト・ストリートファイトを行い、最後に相応しいお祭り騒ぎとなった。WWEは会場に別れを告げ、数々のシーンを残してきたその歴史に幕を閉じた。

最後の一言

ジョー・ルイス・アリーナは最後に一言、こう呟いた。「Thank you, Detroit.」(ありがとう、デトロイト。)

2017年7月30日、クローズ。

Farewell to the Joe.